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「あんな事があったね」と笑い合えたら

記憶が薄れるのを待っている

椎名林檎を聴き初めたのは私が中学2年生の時。
仲良しのスラっとした背の高い女の子が、椎名林檎のアルバム「勝訴ストリップ」をオススメしてくれた。

それまで椎名林檎=本能(エロいナース服着てるちょっと変わった女の人)
という浅はかなイメージしか無かったし、全く興味が無かった。
林檎さんの巻舌が堪らなくカッコよくてね…
浴室のイントロがとっても綺麗で…と目をキラキラさせて毎日熱弁してくれる友達にCDを借りた。
アルバム一曲目に収録されている「虚言症」を聴いて、鳥肌が立ったのは今でも鮮明に覚えている。
私の頭の中で真っ黒な羽根の蝶々がフワリ、と横切った。本当に横切ったんですよ。
この曲は本当は「大丈夫」というタイトルだったらしいけれど、林檎さんがこの感情も実は今となっては嘘、偽りなのかもしれない…という心変わりでこのタイトルに変更されたらしい。
私は勝訴ストリップの中で、この曲がダントツで好きだ。
サビの最後の部分「私はいつも君を想っているのに」という歌詞の部分で
「えっ?椎名林檎って…こんな可愛い歌詞を歌うんだ。」という衝撃。ギャップに見事にやられ、のめり込む。中3でまだギターも弾けやしないのに、「勝訴ストリップ」のバンドスコアを買った。いつかバンドでコピーするのを夢に描いて。(後に大学一回生の発表会で全員ナース服と白衣を着て病床パブリックをコピーすることになります。マジで厨二)
今まで椎名林檎を聴いてこなかったのを本当に心底後悔した。

というのにも理由があって、もう少し遡る事中学1年の時の話。
東京事変の「群青日和」をTVでふと聴き、釘付け。このカッコいい曲何?どうやったらこんな曲作れるの?何でこの人、髪の毛濡れながらギター弾いてるの??次の日、教室で東京事変って知ってる?と友人グループ4人に聞くと
椎名林檎は頭おかしくて嫌い」という返答だった………

この時に私は、自分の意思が弱く、自分の好きな物事を「好きだ!」と素直に肯定出来なかった。
「ああ、椎名林檎って頭おかしいのか、この人の曲をカッコいいと思ってしまった私はおかしいのか。」と考えてしまったのだ。バカちんが。
だからずっとずっと、椎名林檎から遠ざかっていたのだ。

勝訴ストリップ無罪モラトリアム
加爾基 精液 栗ノ花と3枚のアルバムを中学2年の時に友人に借りていなければ、私の人生は音楽にのめり込んでいなかったかも知れない。
(後にすぐチャットモンチーにも出逢うけど)


という事で最近毎日聴いている椎名林檎の曲を。幸福論のカップリング曲。
林檎さんが失恋した時に出来た曲らしいのですが、素直に泣いて笑う君にエナジーを燃やしている幸福論と相反してるよね。
でもこの曲の好きな点は聴いてて全く重い気持ちにならないところ。

www.youtube.com


ああ、楽しかった休日終わっちゃったなぁ。